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幸せのツボミ

総文字数/6,713

ノンフィクション・実話11ページ

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幸せそうに笑う君を見て、僕は思った。 ――君の「幸せのツボミ」は、きっと綺麗な花になる。 久しぶりに会った元カノは、昔よりずっと可愛くなっていた。 今の彼氏の話をする君は、目を輝かせていて、本当に幸せそうだった。 嫉妬したわけじゃない。 もう一度、君と付き合いたいわけでもない。 ただ、君の幸せを見ているうちに、僕は昔の自分を思い出した。 辛いとき、優しく笑ってくれた君。 何も言わずにそばにいてくれた君。 僕の頭を撫でてくれた君。 あの頃の僕は、きっと人一倍甘えん坊だった。 その日の苦しさを一人で抱えることができなくて、誰かに甘えることで、少しずつ心を軽くしていた。 そして君は、そんな僕が安心して弱さを見せられる、大切な人だった。 でも今は、もうあの頃のように君に甘えることはできない。 家に帰って一人になった僕は、今日伝えられなかった言葉をスマホに打っては消した。 「前より可愛くなったね」 たったそれだけの言葉すら、僕には送れなかった。 そして気づく。 君に未練があるわけじゃない。 僕が恋しいのは、君じゃない。 君と一緒にいた頃の――幸せだった自分なのかもしれない。 君のツボミは、これからきっと花になる。 じゃあ、僕のツボミは? 何度も人との縁を失って、傷ついて。 僕のツボミは、もう枯れてしまったのだろうか。 これは、幸せそうな君と、幸せを見失った僕。 二つの「幸せのツボミ」を巡る物語。 そして最後に、あなたにも考えてほしい。 ――枯れたツボミと、まだ咲いていないツボミ。 その二つを、あなたは見分けられますか?

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