【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
動き出す真実
【今日は久しぶりに友里とごはんにいってくるね】
まだ忙しそうに働く部長に、メッセージを送り私と友里は会社を後にした。
「なんか久しぶりじゃない?ゆっくり話をするの」
友里の言葉に、私は少し苦笑しつつ、今までの事をはなした。
「え?うそでしょ?そう言う事だったの?」
大体の話を聞いて友里は驚いたように声を上げた。
会社から少し離れた場所がいいという私の希望で、2駅ほど離れた和風居酒屋に来ていた。
幸運にも空いていた、奥の個室で友里は目を丸くした。
「話したかったんだけど、どこから話すべきかわからなかったし」
私は申し訳ない気持ちで友里に言うと、「まあ、そうよね」そう言って友里は目の前の刺身を口に入れた。
「急にどうして新しい人と付き合う気になったのかな……って思ってたけど、そういう事ではなかったんだ」
幸せそうに見えていたようで、休日なども予定が入るようになった私は、彼ができたとだけ友里に話をしていた。