【web版】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(コミカライズ:男装令嬢が性別を隠して士官学校に入学したら、王子様と騎士様が執着してきます)
33.アイスベルクの秋
私はあれからアイスベルクの領地に戻った。お母様はいつものように出迎えて、私の好きなものを用意してくれた。
士官学校には、その日のうちに退学届けを出した。受理されたかは不明だ。あの事件は、大問題に発展しており、いまだに私に沙汰はない。
何しろ、北の国の姫君自ら、明らかな害意をもって我が国にモンスターを持ちこんだのだ。モンスターに操られたのだとしても、許されるものではなかった。
でも、あの北の国の姫君の気持ちが、私には痛いほどわかってしまう。望んではいけないとわかっていても、シュテルが欲しかったのだ。魔物の言葉に惑わされたのは、それだけの大きな情熱があったからだ。
私だってあの時、リリトゥの声につられそうになった。シュテルが手にはいるならと、一瞬考えた。でも、あんなやり方だとシュテルに嫌われると思ったから、踏みとどまれた。手に入っても、嫌われてるなんて悲しすぎる。