エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
四年後の誓い
「……久しぶり」

「お久しぶり、です」

 再会の挨拶はどちらもぎこちなかった。

 都内のカフェ。

 和臣に指定されたのは、二人がよく会ったあたりではなかった。

 まったく違う場所である。

 元の場所ではこの話が相応しくないとか、そう思ったのかもしれない。

 梓はそう推察した。

 和臣はスーツ姿だった。

 カジュアル目の着こなしだろう、上着のボタンは開いているし、中のシャツはうっすらチェック柄が入っている。

 それでもグレーのスーツの中には、しっかりネイビーのネクタイが締められていた。

 正式な格好をしてきてくれたのだと感じてしまう。

 梓は普段、少し遠出のお出掛けに着ていく若葉色のワンピースと黒のカーディガンなんて格好で良かったのかな、と少し気が引けてしまった。
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