エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
恋人同士の甘い夜
「梓、いつもありがとうな」

 ある夜、今日は夕食に間に合うような早めの時間にあがって帰ってこられた和臣は、不意にお礼を言ってきた。

 ソファにあたたかい紅茶を持っていった梓に向かってである。

「うん?」

 どうして急にお礼を言われるのかわからなかった。

 今、持ってきた紅茶のことではないだろう。

 紅茶を二杯、淹れたて熱々のものをローテーブルに並べて、梓もソファに腰掛ける。

 和臣の隣に座ると、和臣はすぐに座り直して、梓に寄り添うような姿勢になってきた。

 近付いた距離に、どきっとしてしまう。

 うっすら体温さえ伝わってきた。

 もう夫婦として同じ家で過ごすようになって、二ヵ月近くにもなる。

 こうして夫婦らしく……いや。

 和臣の言葉を借りるなら、恋の気持ちで繋がる仲としてらしく、触れ合ったり、一緒の時間を過ごすことにも慣れたとはいえ、まだまだ意識はしてしまうのだ。
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