エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
パパはおひさま
 それからしばらく、和はあまり落ち込んだ様子を見せなかった。

 先生が相手の子になにか言ってくれて、それで少し落ち着いたのかもしれない。

 梓は和の様子から推察した。

 和臣も和臣で、和に話をしていた。

「和、困ったことがあったらパパにも話してくれよ」

 夜、早めに帰ってこられた日。

 二人ともお風呂を済ませたあと、和臣が和を膝に乗せてそう話しているのを梓は見た。

「うん……」

 しかし和は返事を濁らせた。

 すぐに話しづらいのだろう。

 その様子からするに、少し落ち着いてはいるものの、解決はしていないのだろうな、と思ってしまう。

 胸が痛んだ梓だったが、一番辛いのは和なのだ。

 そう言い聞かせ、梓は家事を片付けつつ、二人の様子を見ていた。
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