エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
初めての習い事
「ああ、ここだ。こういうお店は初めてだから緊張するな」

 休憩したあと、再び館内に踏み出した。

 案内を見ながら歩いて、たどり着いた一軒の店。

 中を見て、和臣はそんなふうに言った。

 しかし梓だって同じである。

 こういう系統のお店に入ったことは今までなかった。

「私たちにとっても初めてになるね」

「違いないな」

 顔を見合わせて、にこ、と笑い合った二人。

 一緒に店内へ踏み込んだ。

「かわいいけど……どれがいいのか、よくわからないな」

 並べられている服たちはカラフルだった。

 パステルカラーのピンクやブルー、あるいはシックに黒やワインレッドなどもある。

 和臣は優しい手つきで、いくつかに触れながら、困ったように言う。

「大丈夫、必要なものはメモしてきたから」

「おお、頼りになるな」

 スマホを取り出した梓は、メモ帳アプリを呼び出した。

 和臣がそれを覗き込んでくる。

 必要なもの。

 シューズ、レオタード、タイツ、ヘアピン、ヘアネット……。

 いくつもずらっと並んでいて、和臣は「色々必要なんだなぁ」と感心したような声を出した。
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