エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
憎しみと痛み
 はぁ、はぁっと息を弾ませながら、梓は公園に辿り着いた。

 入り口まで来て、流石に膝に手をついて、はぁはぁと息を整える。

 しかし、完全に呼吸が戻る前に、大きな声が響いた。

 和臣の声だ。

 梓の心臓がどくん、と反応して、ばっとそちらを見た。

 そして見た。

 奥にある、遊具の前に、和臣が仁王立ちになっていた。

 足元には怯えた様子の穂住が立ち尽くしている。

「美穂! もうやめろ!」

 悲痛な声で叫ぶ。

 制止を求める言葉だ。

 梓はごくっと唾を飲み込んだ。

 もう喉はからからだが、なんとか湿らすように唾で潤す。

 そうしてから地面を再び蹴り、苦しい息の中で、それでも走って近付いた。
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