エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
信じてたから
「和」

 梓はそっと、小さな手に触れた。

 ふっくりしている手は、布団の上に脱力していた。

 それでもあたたかい。

 生きている。

 ちゃんとここにいてくれる。

「……のどか」

 ひく、と喉が鳴ったが、我慢して呑み込む。

 代わりに震える声で呟き、和の手を、両手で包み込んだ。

 どくどくと自分の鼓動が頭まで響くようだった。

 安心できたものの、まだ混乱は去らない。

 涙を堪え、自分を落ち着かせるために、和の手のあたたかさだけに集中していた梓。

 そこへ、こんこん、と小さくノックの音が聞こえた。

 どきん、とする。
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