エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
事件の収束
「ふふん、ふふふん……ハンバーグ……!」

 かわいい鼻歌がすぐ横から聞こえてくる。

 和が大好きなアニメソングのメロディに、勝手な歌詞をつけて歌っているものだ。

 あまりに微笑ましくて、梓はついつい笑ってしまった。

「ハンバーグ?」

「うん! ハッピーパワーでハンバーグもおいしくなっちゃうの!」

 ハッピーパワー、とはアニメの中で主人公が使う技の名前である。

 なるほど、と思いつつも、梓の笑みは止まらなかった。

「それなら今日のごちそうはもっと素敵になるね」

「うん!」

 ぺたぺた、とハンバーグのたねをこねて、形を作りながら和は梓のほうを見て、にこっと笑う。
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