エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
優しい涙
「ばぁばー! こんにちはぁ」

 梓の腕に抱かれた和は、梓の母、つまり祖母の顔を見るなり、ぱぁっと顔を輝かせて挨拶した。

 実家を訪ねていった二人を、母はにこにこして迎えてくれる。

「いらっしゃい。まー、和ちゃん、久しぶりねぇ」

「ただいま。急にごめんね」

 梓も和を抱っこしたまま、母に挨拶する。

 あれから、和の熱は少しずつ引いて、一応回復した。

 そのあとで梓は実家に「ちょっとお邪魔してもいいかな」と、連絡をしたのだ。

 それで次の仕事休みの日に、実家までやって来ている。

「いいえ、お父さんはいないけど、夕方には帰るから。一緒に夕ご飯を食べましょう」

「ありがとう。楽しみだな」

 玄関から招き入れてくれて、二人は家にあがる。

 そんな話をしながら和を廊下に下ろすと、和はすぐに母にまとわりつきはじめた。

「ばぁばー、ばぁばはおはじき、じょうず? 持ってきたの!」

 母をおはじきに誘おうとするので、梓はくすっと笑ってしまった。
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