【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
第八章
ドルレアン国一日目
私たちが王城へと到着すると、すぐに宿泊する為の部屋へ案内された。
紹介された通訳のラスも一緒についてきて、すっかりソフィアと意気投合したのか2人で手を繋ぎながら楽しそうに城内を歩いている。
「ソフィアって、とても可愛い名前だね!」
「あ、ありがとう。私も大好きなの」
「笑った顔も可愛いな~~部屋に着いたら一緒に遊んでくれる?」
「うん!」
ここだけ空気が違うような気がするわ。
ここは天国?天使が2人?
ずっと見ていられるわね。
私が微笑ましく二人のやり取りを見ている後ろから、ゼフの圧を感じるのは気のせいかしら……というより、イザベルもヴィルも皆、彼に対して警戒しているような気がするのは気のせい?
でもソフィアに向けられている笑顔は嘘のようにも見えないのよね。
なぜだかは分からないけれど、皆が警戒しているし、私も一応深入りし過ぎないように気を付けよう。
「皆さま、こちらがご宿泊いただくお部屋になります」
そうこうしている内に私たちが宿泊す部屋の前に到着したのか、ラスが笑顔で案内してくれた部屋は、王族が宿泊するに相応しい内装に感嘆の声が出てしまう。
山の麓に建てられている強固な城の一室とは思えないような、洋風の美しい部屋。
我々が来るからわざわざ用意してくれたのだろうかと考えてしまうけれど、その辺は深く考えても仕方ないわね。