【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
女湯Side / 男湯Side
温泉は綺麗に整備されているというより、天然の岩を利用して湯を溜めている、露天風呂のような造りだった。
王城は標高も少し高めの場所に建てられている事もあり、温泉からは王都の街並みやドルレアン国全体を眺められるようになっている。
「これは絶景ね……商売にしたらとても儲かりそうな気がするわ」
「確かに!こんな景色のホテルがあったら旅行に来ちゃうかも!」
「ホテル?」
マリアが日本での言葉を使うと、イザベルがすかさず反応を示した。
「ホテルはね、沢山の人が泊まる事が出来て~」
マリアはイザベルに丁寧に説明し、イザベルはまるで素晴らしい知識を教えてもらっているかのようにふんふんと真剣に聞き入っている。
可愛い。
そして私の隣りにはさらに可愛いソフィアが、すっかり景色に夢中になりながらも時折私の方を見て、ニッコリ笑いかけてくれる。
可愛いっっ。
イザベルとひとしきり話を終えたマリアは、先ほどのレジェク殿下の話を聞いて、自身の考えを述べてきた。
「レジェク殿下の言っていた火の神の鼓動って、普通に火山性の微動とか言うものじゃない?」
「私もそう思うんだけど……この国の人々にとってはそうなのかなって」
「うーん、やっぱり世界は広いのね。色々な文化があるんだ」