【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
炭鉱へ出発
私たちが腕相撲大会の話で盛り上がっている最中もレジェク殿下は終始無言で、お城に戻った時にようやく少し言葉を発したのだった。
「では、私はこれで……明日の朝、お迎えに上がります」
やっぱり笑顔がぎこちない。レジェク殿下ってあまり隠し事が出来ないタイプかもしれない。
建国祭の時もすぐに感情をあらわにした事を思い出す。
私はそんな殿下に、楽しみにしているといわんばかりに満面の笑みで応えた。
「感謝いたします。お待ちしておりますわ」
部屋に戻り、その夜は皆で私の部屋でまったり過ごす事になった。
昼間は観光に腕相撲大会ととても体力を使ったし、暑かったので体力を消耗してしまったものね。
そう思っていたのに……マリアやソフィアはまたカードゲームで盛り上がっているし、そこにイザベルやマリーまで加わって、皆とても元気だ。
私が体力なさすぎるだけ?
とにかくこの国は暑くて部屋も盛り上がって熱気があるので、涼むためにバルコニーに移動する事にしたのだった。
「はぁ…………涼しい。あ、ヴィル。ここにいたのね」
そういえばヴィルの姿が見えないと今気付いたけれど、あまり気にしていなかったとは言えない。
「オリビア、涼みにきたのかい?」
「ええ、この国は本当に暑くて。慣れない者には辛いわね。夜だと涼しくて外の空気が気持ちいい」