【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
ドルレアン国四日目は水遊び
ヴィルとマリアが出ていった後、少ししてから扉の外から誰かの声が聞こえてくる。
「なんだろう……外で誰かが喋ってる?」
「少々お待ちください」
イザベルが扉の近くに寄って行き、耳を欹てると、シンと静まり返る室内にレジェク殿下の声が聞こえてくる。
どうやらビシエラ山についてマリアやヴィルがレジェク殿下に伝えているような話だった。
私たちにはエネルギーを少し鎮めたという話だったけれど、この火山はゆくゆくは危険だという話をしているようね。
「我々に聞かせたくはない話なのでしょうけど、筒抜けになっちゃってますね」
ラスがこの状況を面白がって笑っている。
マリアは、この部屋にはソフィアもいるし、きっと皆を怖がらせたくなかったのよね。
「まぁ聞いていないフリをしてあげましょう。レジェク殿下は当事者だから知らなくてはならないわけだし」
マリアは自然の力を感じるから、放っておけないでしょうね。
優しい子だし……なんとかしてあげたいんだと思う。
まだ建国祭まで数日あるから、明日は何か気晴らしさせてあげたいな。
「ねぇ、ラス。この国ってすごく暑いから、どこかで水遊び出来る場所はない?」
私の質問に少し考えたあと、ラスは思いついたのか良さそうな場所を教えてくれる。
「水遊び出来る場所、ありますよ!海側へ行くのに少し移動の時間がかかりますけど、川も近くて涼しい場所が。家族連れも多いですし」
「いいわね!明日は皆でそこへ行きましょうよ!お昼ご飯も持っていけば、ちょっとしたピクニックみたいで楽しいんじゃないかしら」
「行きたい!」