【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部完結】

ラスクル


 ”僕のお姫様を返して”

 全く意味が分からない。ラスとソフィアは兄妹なの?それとも婚約者か何か?

 彼女は孤児のはず……もしかして、そこからズレているの?

 私の疑問は口にする事は許されず、小剣がどんどん食い込んでいくので冷や汗が吹き出してくる。

 目を見開いて固まる私にニヤリと笑みを向けると、スッと姿は消え、次の瞬間、窓際まで移動していたのだった。

 全く動きが見えなかった……。
 
 一連の動きが静かで速すぎて、誰も気付きそうにない。

 とにかく首から小剣が離れたので体を起こした私は、ベッドから下りようとした。

 でも先ほどまで恐怖にさらされていたので、体が思うように動いてくれない……!


 「ふふふっ、大丈夫?怖くて腰が抜けちゃったんじゃない?」

 「うるさいわね……」

 「無理しないで休んでいればいいのに」

 「ソフィアが連れて行かれそうなのに、寝ていられるわけないでしょう!」

 「あ――あなた方のそういう偽善的な精神が、本当に虫唾が走るなぁ。やっぱり殺しておこうか」


 ラスの小剣がギラりと光る。

 先ほどの移動の速さを考えると、彼が本気になったら私など一瞬で殺されてしまうのだろう。

 それならば、刺し違えてでもソフィアを守るわ……!


 「ソフィアを返して!!!!」


 ――――バァンッ!!!――――

 私の叫び声とともに入口の扉とバルコニーの窓が開かれた。


 「え……?」

 「オリビア!!」

 「ヴィル!マリア?!それにゼフやイザベル、ニコライ様も!!」

 「……ふふふっ、皆さんお揃いで」
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