【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第33話 シェリルとギルバートの視察(6)
その後はターラさんの案内で町のいろいろな場所を回った。
ソフィちゃんとティナちゃんは途中から私になついてくれたらしく、いつの間にか私にべったりに。ターラさんはそれを苦笑を浮かべながら見守りながらも「申し訳ございませんねぇ……」と謝ってくる。
「いえ……子供は、好きなので」
それに対して私はそんなことを言いながら、二人の相手をしていた。
今は町にある公園で休憩中だったりする。ベンチに腰掛ける私の両隣にはソフィちゃんとティナちゃんがいて、二人は交互に私に話しかけてくれる。そのため、退屈することはない。
「あのね、ティナは本を読むことが好きなの」
そんな中、不意にティナちゃんがそんなことを言う。その目は楽しそうに細められているものの、その目の奥には何処となく寂しさのようなものが含まれていた。
(確かに、こういう場所だと本は手に入りにくいかもしれないわ)
本というものはこのウィリス王国では大きな街にしかないことが多い。こういう小さな町では、大きな街で仕入れたうえで商人が売りに来る。だから、高価なものになってしまうし何よりも最新のものが読めない。
「ティナはいつか司書さんになりたいのよね」
ターラさんがそう言えば、ティナちゃんは「うん」と言ってうなずく。
「私、いつか司書さんか本屋さんの店主になるわ。このノールズにもいっぱい本を仕入れるの!」
目をキラキラと輝かせながらそう言うティナちゃんは、とてもまぶしい。だからかな、私は純粋にティナちゃんの夢を応援したいと思ってしまう。……本をここに持ってくることは出来ないかもしれない。だけど、流通ルートを整えることは……まだ、出来ると思う。
(ギルバート様に意見を言ってもいいかもしれないわ)
本は教育にもいい。識字率もあがるし、何よりも領民が豊かになればそれだけ伯爵家も発展するはず。……リスター伯爵家はこれ以上発展する必要はないかもしれないけれど、そこはギルバート様のお考えだもの。
ソフィちゃんとティナちゃんは途中から私になついてくれたらしく、いつの間にか私にべったりに。ターラさんはそれを苦笑を浮かべながら見守りながらも「申し訳ございませんねぇ……」と謝ってくる。
「いえ……子供は、好きなので」
それに対して私はそんなことを言いながら、二人の相手をしていた。
今は町にある公園で休憩中だったりする。ベンチに腰掛ける私の両隣にはソフィちゃんとティナちゃんがいて、二人は交互に私に話しかけてくれる。そのため、退屈することはない。
「あのね、ティナは本を読むことが好きなの」
そんな中、不意にティナちゃんがそんなことを言う。その目は楽しそうに細められているものの、その目の奥には何処となく寂しさのようなものが含まれていた。
(確かに、こういう場所だと本は手に入りにくいかもしれないわ)
本というものはこのウィリス王国では大きな街にしかないことが多い。こういう小さな町では、大きな街で仕入れたうえで商人が売りに来る。だから、高価なものになってしまうし何よりも最新のものが読めない。
「ティナはいつか司書さんになりたいのよね」
ターラさんがそう言えば、ティナちゃんは「うん」と言ってうなずく。
「私、いつか司書さんか本屋さんの店主になるわ。このノールズにもいっぱい本を仕入れるの!」
目をキラキラと輝かせながらそう言うティナちゃんは、とてもまぶしい。だからかな、私は純粋にティナちゃんの夢を応援したいと思ってしまう。……本をここに持ってくることは出来ないかもしれない。だけど、流通ルートを整えることは……まだ、出来ると思う。
(ギルバート様に意見を言ってもいいかもしれないわ)
本は教育にもいい。識字率もあがるし、何よりも領民が豊かになればそれだけ伯爵家も発展するはず。……リスター伯爵家はこれ以上発展する必要はないかもしれないけれど、そこはギルバート様のお考えだもの。