【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第36話 シェリルとギルバートの視察(9)
(い、今、ギルバート様私のことを愛しているって……!)
その言葉を理解して、私の乙女心が騒ぎ出す。
ギルバート様はあまり私に対して「愛している」とか「大好き」とかおっしゃるタイプではない。そのため、私は少なからず不安を覚えてしまっていた。
でも、人前でそんなことをおっしゃってくれるということは……真実なのだろう。
「だから、立ち去ってくれ。……そうじゃないと、俺はお前をどうするかわからない」
ギルバート様はそうおっしゃってエヴェラルド様をにらみつける。
それに完全に怯んでしまったのか、エヴェラルド様は「く、クソッ」と言った後慌てて立ち去っていく。結局、彼は昔から何も変わっていなかったのね。それを、実感する。
そして、エヴェラルド様がいなくなられると……私のことを力いっぱい抱きしめてくださるギルバート様の腕が、バッと離れていく。
「シェリル。……悪いな。咄嗟のこと、だったから」
しどろもどろになりながらギルバート様がそうおっしゃる。……私は迷惑だなんて思っていないのに。真実、助けてくださったことも愛していると宣言してくださったことも、嬉しいと思っているのに。
そう思って、私はギルバート様に抱き着く。あまり積極的なのは私らしくないけれど、このお方の場合は私が積極的にならざるおえないのだ。
「ギルバート様」
「……あぁ」
「私、嬉しかったです」
静かにそう告げれば、ギルバート様は「……シェリル」と私の名前を呼んでくださる。そのため、私はギルバート様の首に腕を回しながら「私のこと、愛しているって宣言してくださったことも、嬉しかったです」と言う。
その言葉を理解して、私の乙女心が騒ぎ出す。
ギルバート様はあまり私に対して「愛している」とか「大好き」とかおっしゃるタイプではない。そのため、私は少なからず不安を覚えてしまっていた。
でも、人前でそんなことをおっしゃってくれるということは……真実なのだろう。
「だから、立ち去ってくれ。……そうじゃないと、俺はお前をどうするかわからない」
ギルバート様はそうおっしゃってエヴェラルド様をにらみつける。
それに完全に怯んでしまったのか、エヴェラルド様は「く、クソッ」と言った後慌てて立ち去っていく。結局、彼は昔から何も変わっていなかったのね。それを、実感する。
そして、エヴェラルド様がいなくなられると……私のことを力いっぱい抱きしめてくださるギルバート様の腕が、バッと離れていく。
「シェリル。……悪いな。咄嗟のこと、だったから」
しどろもどろになりながらギルバート様がそうおっしゃる。……私は迷惑だなんて思っていないのに。真実、助けてくださったことも愛していると宣言してくださったことも、嬉しいと思っているのに。
そう思って、私はギルバート様に抱き着く。あまり積極的なのは私らしくないけれど、このお方の場合は私が積極的にならざるおえないのだ。
「ギルバート様」
「……あぁ」
「私、嬉しかったです」
静かにそう告げれば、ギルバート様は「……シェリル」と私の名前を呼んでくださる。そのため、私はギルバート様の首に腕を回しながら「私のこと、愛しているって宣言してくださったことも、嬉しかったです」と言う。