【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第40話 愛しているの
門の方向に駆ければ、そこでは明らかなトラブルが起きていた。
そこにはロザリア様、サイラスさん、そして――エヴェラルド様がいて。
エヴェラルド様はロザリア様に突っかかっていた。その様子を遠目から見つめつつ、私はゆっくりと近づいていく。
「帰ってくださいませ。貴方様のおっしゃることはめちゃくちゃです」
静かな怒りを含んだロザリア様のお声が、私の耳に届く。
「エリカに会いたいだけだ。それ以外は何も望まない」
「ですが、エリカ様は会いたくないとおっしゃっております」
エヴェラルド様とロザリア様のそんな言い争うような声が聞こえてくる。互いに静かな声の奥に怒りといら立ちを含ませている。……きっと、お二人ともしびれを切らしてしまいたいのだと思う。
「クソッ、エリカ、エリカ……!」
門が揺れるような音がする。だからこそ、私は駆け足でそちらに近づいていく。そうすれば、サイラスさんがぎょっとしたような目で私のことを見つめてきた。……まさか、ここに来るとは思わなかったのだろうな。
「エヴェラルド様!」
大きな声で彼の名前を呼べば、彼は「……お前か」と言いながら忌々しいとばかりの視線を私に向けてくる。その目に怯んだ様子を見せてはいけない。ここは、はっきりと拒絶しなくては。
「エリカは、貴方に会いたくないと言っているわ」
ゆるゆると首を横に振りながら、私はそう伝える。
エリカは怖いと言っていた。それに、度重なるストーカー行為に疲弊している。犯人であるエヴェラルド様と対面させるわけにはいかなかった。
「嘘だ! 僕以上にエリカのことを愛している人間はいない!」
「ここにいるわよ!」
エヴェラルド様の目をまっすぐに見て、私はそう叫ぶ。すると、彼は大きく目を見開いていた。
そこにはロザリア様、サイラスさん、そして――エヴェラルド様がいて。
エヴェラルド様はロザリア様に突っかかっていた。その様子を遠目から見つめつつ、私はゆっくりと近づいていく。
「帰ってくださいませ。貴方様のおっしゃることはめちゃくちゃです」
静かな怒りを含んだロザリア様のお声が、私の耳に届く。
「エリカに会いたいだけだ。それ以外は何も望まない」
「ですが、エリカ様は会いたくないとおっしゃっております」
エヴェラルド様とロザリア様のそんな言い争うような声が聞こえてくる。互いに静かな声の奥に怒りといら立ちを含ませている。……きっと、お二人ともしびれを切らしてしまいたいのだと思う。
「クソッ、エリカ、エリカ……!」
門が揺れるような音がする。だからこそ、私は駆け足でそちらに近づいていく。そうすれば、サイラスさんがぎょっとしたような目で私のことを見つめてきた。……まさか、ここに来るとは思わなかったのだろうな。
「エヴェラルド様!」
大きな声で彼の名前を呼べば、彼は「……お前か」と言いながら忌々しいとばかりの視線を私に向けてくる。その目に怯んだ様子を見せてはいけない。ここは、はっきりと拒絶しなくては。
「エリカは、貴方に会いたくないと言っているわ」
ゆるゆると首を横に振りながら、私はそう伝える。
エリカは怖いと言っていた。それに、度重なるストーカー行為に疲弊している。犯人であるエヴェラルド様と対面させるわけにはいかなかった。
「嘘だ! 僕以上にエリカのことを愛している人間はいない!」
「ここにいるわよ!」
エヴェラルド様の目をまっすぐに見て、私はそう叫ぶ。すると、彼は大きく目を見開いていた。