【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第41話 突き刺さった言葉
「何をするですって!? それはこちらのセリフだわ。人の屋敷に勝手に入ってきた挙句癇癪を起すなんて……子供以下の存在よ!」
エヴェラルド様の方に近づき、その胸倉をつかみながらロザリア様はそう叫ぶ。
対するエヴェラルド様はロザリア様の迫力に押されてしまったのか、俯いて「くっ……」と声を漏らすだけ。
「いいこと? 一方的な愛情の押しつけは何よりも迷惑なのよ!」
「ぼ、僕は、僕はエリカを愛している……!」
「それが一方的な愛情の押しつけだって、どうしてわからないの?」
ロザリア様のおっしゃっていることは、ごもっともだった。彼女はエヴェラルド様を植木の中にもう一度投げ込むと、パンパンと手をたたく。まるでゴミに触れてしまったかのような態度に、私は……何とも言えなくなってしまった。
(ロザリア様、相当怒っていらっしゃるわね……)
それを悟りつつも、私はエヴェラルド様のことが気になってしまって彼に視線を送る。そうしていれば、サイラスさんが「シェリル様。戻りましょうか」と私に声をかけてくれた。……けれど、私には一つだけ気がかりがある。
「……もう少しだけ、戻るのは待って頂戴」
サイラスさんにそう告げて、私はエヴェラルド様の方に近づいていく。彼は私の態度を見て目を真ん丸にしていた。
「……エヴェラルド様」
そっと彼の名前を呼べば、彼は「……なんだ」とふてぶてしく言葉を返してこられる。そのため、私は思いきり手を振りかぶって――。
「っつ⁉」
エヴェラルド様の頬を思いきりたたいた。もちろん、パーで。グーで殴るなんて芸当、私にはできなかった。
エヴェラルド様の方に近づき、その胸倉をつかみながらロザリア様はそう叫ぶ。
対するエヴェラルド様はロザリア様の迫力に押されてしまったのか、俯いて「くっ……」と声を漏らすだけ。
「いいこと? 一方的な愛情の押しつけは何よりも迷惑なのよ!」
「ぼ、僕は、僕はエリカを愛している……!」
「それが一方的な愛情の押しつけだって、どうしてわからないの?」
ロザリア様のおっしゃっていることは、ごもっともだった。彼女はエヴェラルド様を植木の中にもう一度投げ込むと、パンパンと手をたたく。まるでゴミに触れてしまったかのような態度に、私は……何とも言えなくなってしまった。
(ロザリア様、相当怒っていらっしゃるわね……)
それを悟りつつも、私はエヴェラルド様のことが気になってしまって彼に視線を送る。そうしていれば、サイラスさんが「シェリル様。戻りましょうか」と私に声をかけてくれた。……けれど、私には一つだけ気がかりがある。
「……もう少しだけ、戻るのは待って頂戴」
サイラスさんにそう告げて、私はエヴェラルド様の方に近づいていく。彼は私の態度を見て目を真ん丸にしていた。
「……エヴェラルド様」
そっと彼の名前を呼べば、彼は「……なんだ」とふてぶてしく言葉を返してこられる。そのため、私は思いきり手を振りかぶって――。
「っつ⁉」
エヴェラルド様の頬を思いきりたたいた。もちろん、パーで。グーで殴るなんて芸当、私にはできなかった。