【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第42話 嫌か?
「……はぁ」
その日の夜。夕食を摂り湯あみを終えた私は一人私室で考え込んでいた。
エヴェラルド様がおっしゃった言葉が、未だに私の胸の中で渦巻く。
「……私は、どうすればよかったの?」
そう零してしまって、私は寝台に背中から倒れこむ。クレアには一人になりたいと下がってもらった。
そして、一人で考え込む。エリカは、今どうしているだろうか? エヴェラルド様がいらっしゃったことに気が付いていないといいのだけれど……。
「なんて、考えていても無駄よね」
エリカは私のことを頼ってくれている。ならば、姉として彼女のことを助けるのが筋というものだろう。……お父様もお義母様も、あてにならないらしいし。
そんなとき、不意に部屋の扉がノックされる。慌てて起き上がって返事をするものの、特に誰かが来る予定はなかった。クレアには下がってもらっているし、サイラスさんはこの時間になるとこちらに来ることはない。エリカも違うだろうし……。
「シェリル」
「ぎ、ギルバート様……!」
扉を開けて顔を出されたのは、ほかでもないギルバート様だった。そのため、私は慌ててナイトドレスを直しつつ、ソファーの方に移動する。そうすれば、ギルバート様は「あんまり、調子が良くないだろう」とおっしゃって眉を下げられていた。
「……別に、そういうわけでは」
視線をそっとそらしてそう告げれば、ギルバート様は「……昼間のこと、聞いたぞ」と静かな声でおっしゃる。
「いろいろと大変だったらしいな。……俺がすぐに駆け付けることが出来たら、よかったんだが……」
「……いえ、お仕事だったので仕方がないですよ」
肩をすくめながらそう言葉を返せば、彼は苦痛に満ちたような表情を浮かべられた。なので、私は「ロザリア様も、サイラスさんもいてくれましたし」と言って出来る限りにっこりと笑った。
その日の夜。夕食を摂り湯あみを終えた私は一人私室で考え込んでいた。
エヴェラルド様がおっしゃった言葉が、未だに私の胸の中で渦巻く。
「……私は、どうすればよかったの?」
そう零してしまって、私は寝台に背中から倒れこむ。クレアには一人になりたいと下がってもらった。
そして、一人で考え込む。エリカは、今どうしているだろうか? エヴェラルド様がいらっしゃったことに気が付いていないといいのだけれど……。
「なんて、考えていても無駄よね」
エリカは私のことを頼ってくれている。ならば、姉として彼女のことを助けるのが筋というものだろう。……お父様もお義母様も、あてにならないらしいし。
そんなとき、不意に部屋の扉がノックされる。慌てて起き上がって返事をするものの、特に誰かが来る予定はなかった。クレアには下がってもらっているし、サイラスさんはこの時間になるとこちらに来ることはない。エリカも違うだろうし……。
「シェリル」
「ぎ、ギルバート様……!」
扉を開けて顔を出されたのは、ほかでもないギルバート様だった。そのため、私は慌ててナイトドレスを直しつつ、ソファーの方に移動する。そうすれば、ギルバート様は「あんまり、調子が良くないだろう」とおっしゃって眉を下げられていた。
「……別に、そういうわけでは」
視線をそっとそらしてそう告げれば、ギルバート様は「……昼間のこと、聞いたぞ」と静かな声でおっしゃる。
「いろいろと大変だったらしいな。……俺がすぐに駆け付けることが出来たら、よかったんだが……」
「……いえ、お仕事だったので仕方がないですよ」
肩をすくめながらそう言葉を返せば、彼は苦痛に満ちたような表情を浮かべられた。なので、私は「ロザリア様も、サイラスさんもいてくれましたし」と言って出来る限りにっこりと笑った。