【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第44話 いなくなった異母妹
それは、エヴェラルド様がリスター伯爵家のお屋敷を強襲した翌日のことだった。
「シェリル様!」
朝早くに、マリンが私の部屋に駆けてきた。マリンは最近はエリカ付きの侍女をしているため、私の元に来ることは少ない。……でも、それよりも。
「……マリン、どうしたの?」
彼女がひどく焦っているように見えて、私は恐る恐るそう問いかける。そうすれば、マリンは「……エリカ様が、消えました」と絞り出すような声で告げてくる。……エリカが、消えた?
「それって、どういうこと……?」
震える口で無理やり言葉を紡ぎ出せば、マリンは「言葉通りで、ございます」と俯きながらに返事をくれる。
「昨夜、どうにも思い悩んでいたようで……」
「……そう」
私はそうとしか言えなかった。目を伏せてそう声を出せば、側に居たクレアが「……どうされますか?」と言葉をかけてくれる。その「どうされますか?」が表す意味は一つしかない。
捜すか、捜さないか。
あの子の性格上、捜してほしくはないだろう。わかっている。わかっているのだけれど――……。
「クレアはギルバート様とサイラスさんに報告して頂戴。私はマリンと一緒にエリカを捜すわ」
「……ですが、もうここら辺には……」
「そうだとしても、何もしないよりはずっとマシよ」
幸いにも着替えた後だったので、私はその上に上着を羽織って素早く部屋を出て行こうとする。そうすれば、後ろからマリンの「お待ちください!」という声が聞こえてきた。
「シェリル様!」
朝早くに、マリンが私の部屋に駆けてきた。マリンは最近はエリカ付きの侍女をしているため、私の元に来ることは少ない。……でも、それよりも。
「……マリン、どうしたの?」
彼女がひどく焦っているように見えて、私は恐る恐るそう問いかける。そうすれば、マリンは「……エリカ様が、消えました」と絞り出すような声で告げてくる。……エリカが、消えた?
「それって、どういうこと……?」
震える口で無理やり言葉を紡ぎ出せば、マリンは「言葉通りで、ございます」と俯きながらに返事をくれる。
「昨夜、どうにも思い悩んでいたようで……」
「……そう」
私はそうとしか言えなかった。目を伏せてそう声を出せば、側に居たクレアが「……どうされますか?」と言葉をかけてくれる。その「どうされますか?」が表す意味は一つしかない。
捜すか、捜さないか。
あの子の性格上、捜してほしくはないだろう。わかっている。わかっているのだけれど――……。
「クレアはギルバート様とサイラスさんに報告して頂戴。私はマリンと一緒にエリカを捜すわ」
「……ですが、もうここら辺には……」
「そうだとしても、何もしないよりはずっとマシよ」
幸いにも着替えた後だったので、私はその上に上着を羽織って素早く部屋を出て行こうとする。そうすれば、後ろからマリンの「お待ちください!」という声が聞こえてきた。