【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第50話 招待状
「はぃ?」
エリカが怪訝そうな声を上げて、こちらを振り返る。
そんな彼女の愛らしさに胸を打たれてしまいそうになるけれど、今はそれよりも大切なことがあると思いなおす。
「ちょっと、渡し忘れたものがあった」
そして、ギルバート様はそうおっしゃって懐から一枚の封筒を取り出される。
そのままエリカにその封筒を手渡せば、彼女はただでさえ真ん丸な目をさらに丸くしていた。
「……これって」
彼女のその言葉に、私は静かに頷いた。
「よかったら、来てくれない?」
そっとそう声をかければ、エリカは「……いいの?」と言いながら私とギルバート様の目を交互に見つめていた。
だからこそ、私は頷きながら「エリカに、来てほしいのよ」と言ってにっこりとした笑みを浮かべる。
「……でも」
エリカは少しためらいがちにギルバート様に視線を向けた。それに対してギルバート様は「……花嫁側の親族が一人もいないのは、変だろう」とおっしゃってプイっと顔を背けられる。
確かに少し変かもしれないけれど、別に咎められるようなことじゃない。つまり、これはギルバート様なりの照れ隠しなのだ。
「……そう、ですか」
エリカはギルバート様のお言葉を聞いてどう思ったのだろうか。そう思い不安を抱いていれば、エリカはおもむろにプッと噴き出す。
「お義姉様ったら、おかしなお顔」
それから、彼女はそう言ってくれた。
「……ありがとう。ぜひとも、出席するわ」
彼女はそれだけを告げて、馬車に乗り込んだ。大切そうに封筒を抱きしめる彼女の姿を見つめていれば、エリカは口パクで「バイバイ」と伝えてくる。それから、その手を振ってくれた。
なので、私もゆっくりと手を振る。エリカの乗った馬車が見えなくなるまで手を振っていれば、不意にギルバート様に肩を抱き寄せられる。
エリカが怪訝そうな声を上げて、こちらを振り返る。
そんな彼女の愛らしさに胸を打たれてしまいそうになるけれど、今はそれよりも大切なことがあると思いなおす。
「ちょっと、渡し忘れたものがあった」
そして、ギルバート様はそうおっしゃって懐から一枚の封筒を取り出される。
そのままエリカにその封筒を手渡せば、彼女はただでさえ真ん丸な目をさらに丸くしていた。
「……これって」
彼女のその言葉に、私は静かに頷いた。
「よかったら、来てくれない?」
そっとそう声をかければ、エリカは「……いいの?」と言いながら私とギルバート様の目を交互に見つめていた。
だからこそ、私は頷きながら「エリカに、来てほしいのよ」と言ってにっこりとした笑みを浮かべる。
「……でも」
エリカは少しためらいがちにギルバート様に視線を向けた。それに対してギルバート様は「……花嫁側の親族が一人もいないのは、変だろう」とおっしゃってプイっと顔を背けられる。
確かに少し変かもしれないけれど、別に咎められるようなことじゃない。つまり、これはギルバート様なりの照れ隠しなのだ。
「……そう、ですか」
エリカはギルバート様のお言葉を聞いてどう思ったのだろうか。そう思い不安を抱いていれば、エリカはおもむろにプッと噴き出す。
「お義姉様ったら、おかしなお顔」
それから、彼女はそう言ってくれた。
「……ありがとう。ぜひとも、出席するわ」
彼女はそれだけを告げて、馬車に乗り込んだ。大切そうに封筒を抱きしめる彼女の姿を見つめていれば、エリカは口パクで「バイバイ」と伝えてくる。それから、その手を振ってくれた。
なので、私もゆっくりと手を振る。エリカの乗った馬車が見えなくなるまで手を振っていれば、不意にギルバート様に肩を抱き寄せられる。