【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
閑話2 お義姉様の元へ2(エリカ視点)
 それからしばらくの時が経っても、あの不可解な視線やプレゼントは続いた。最近ではいつもお手紙が添えられており、私への愛の言葉が綴られていて。……怖くて、仕方がなかった。

「……また、今日も一人」

 一人になるたびに、誰かに見られているような気がして、怖くなる。それでも、お父様にもお母様にも助けを求めることは出来なかった。求めたら最後、私が悪いと言われるから。もう、あのお二人は頼りにならない。

 最近では夜眠ることが出来なくなって、目の下に隈があるのが普通になってきた。怖くて泣いても、誰も助けてくれない。ずっと、孤独。それは、侯爵令嬢だった頃に感じていた孤独よりもはるかに強くて。……誰でもいいから、助けてほしかった。

「……お義姉様、助けて……!」

 なんて、都合のいい女だろうか。分かっている。分かっていても――もう、お義姉様しか頼れなかった。幼少期、優しく私の面倒を見てくれたお義姉様。もしも、あの時の関係のままだったら、お義姉様は私のことを助けてくれただろうか? もう、後悔しても遅いのは分かっている。それでも、ぽろぽろと涙を零しながら呼ぶのはお義姉様のこと。

「……いっそ、死んじゃいたい」

 お父様もお母様も、今では私のことを煩わしく思っていらっしゃる。ただ、利用できるから置いているだけなのだろう。最悪の場合、娼婦にでもなってお金を稼いで来いと言われるのは目に見えている。……だったら、もうこの際――逃げてやろう。
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