【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第21話 役に立てる……かも、です
「そ、その、ギルバート様」
「……シェリル」
「私、ついていきたいです」

 ゆっくりと、噛みしめるように私はそう告げる。でも、ギルバート様は私の言葉を聞いて眉を顰められてしまった。……やっぱり、ダメ、かな。私の微々たる下心が、バレているのかも……。そう思って、私は項垂れてしまいそうになる。

 そう、私の本音はギルバート様とお出掛けがしたい、ということなのだ。それに、領地に出向けば勉強にもなると思う。未来のリスター伯爵夫人として、しっかりとしたい。……私は、ギルバート様と釣り合うようになりたい。若すぎるからって、舐められないようになりたい。

「そ、それに、私の力も活かせるかも……です」

 最後の方の言葉は、小さくなってしまった。ある程度力がコントロール出来るようになったとはいえ、やっぱりまだまだ不安定。その所為で、イマイチ自信が出てこない。

「……そうか」

 私の言葉を聞かれて、ギルバート様は端的にそう返事をくださった。やっぱり、ダメって言われるかな? 無理だって、言われるのかな? そう思って私が俯いていれば、ギルバート様は「……いいぞ」とおっしゃってくださった。

「……ほ、本当、ですか?」
「あぁ、俺はシェリルの願いならば何でも叶えたい」

 ふっと口元を緩められて、ギルバート様はそう言ってくださる。だけど、それはちょっと大げさ……かな。私はそこまで物欲はない方だし、わがままも言いたくはない。だって、ギルバート様を困らせることだけは、嫌だもの。
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