出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
第二章
アンヌッカは国王からの命令のような結婚を受け入れたというのに、それに対して兄のマーカスは「反対だ」「断ったほうがいい」と頑なだ。
アリスタも「すまない、すまない」としきりに謝っていたが、マーカスに触発されたのか次の日になると「断ってもいい」とまで言い出す始末。
だがアンヌッカは、この結婚を断ったとしても、また別の相手との結婚を打診されるのではないかと思っていた。もしくは、軍の総力をあげてメリネ魔法研究所を潰しにかかるか。
というのも、最近のメリネ魔法研究所は目立ちすぎている。
魔導士であれば平等に機会が与えられるべき。という理念のメリネ魔法研究所は、各々の魔導士の能力にあった仕事を割り当てる。その結果、金さえ出せば何でも引き受けると影で言われていることを知っている。
代表のアリスタが「言いたいやつには好きに言わせておけばいい」方針であるし、所属している魔導士たちも、自分の好きな仕事ができれば文句はないといった具合だ。
だから、よりいっそう悪目立ちしている。
今の研究所の力があれば、国に対抗する力もじゅうぶんに備えているだろう。だけどいろいろと考えた結果、望まぬ涙と血を流すようになるのは避けたかった。
アリスタも「すまない、すまない」としきりに謝っていたが、マーカスに触発されたのか次の日になると「断ってもいい」とまで言い出す始末。
だがアンヌッカは、この結婚を断ったとしても、また別の相手との結婚を打診されるのではないかと思っていた。もしくは、軍の総力をあげてメリネ魔法研究所を潰しにかかるか。
というのも、最近のメリネ魔法研究所は目立ちすぎている。
魔導士であれば平等に機会が与えられるべき。という理念のメリネ魔法研究所は、各々の魔導士の能力にあった仕事を割り当てる。その結果、金さえ出せば何でも引き受けると影で言われていることを知っている。
代表のアリスタが「言いたいやつには好きに言わせておけばいい」方針であるし、所属している魔導士たちも、自分の好きな仕事ができれば文句はないといった具合だ。
だから、よりいっそう悪目立ちしている。
今の研究所の力があれば、国に対抗する力もじゅうぶんに備えているだろう。だけどいろいろと考えた結果、望まぬ涙と血を流すようになるのは避けたかった。