凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
嫉妬と不安
〜伊吹side〜

はぁ。
やべぇ。

急に来るとか本当に…

するとコンコンと壁を叩く音がして俺は振り返る。

「ククク。彼女、真っ赤な顔して出てったぞ?」

クルーの一人でもあるレイモンドが俺を見てニヤついている。

「ここで襲うところだったわ」

「ははは! お前本当に変わったよな」

変わった、か…。
そうだな。

以前の俺とは全く違う。

「ああ。愛しくて仕方ない」

レイモンドは既に結婚もして子供もいる。

「良かったな。綺麗だし、可愛らしいし」

俺はギロっと睨む。

「おいおい、勘弁してくれよ。そんな目で見るな」

と言って笑われる。

「ははは。可愛くないって言ったらそれはそれで怒るんだろどうせ」

「当たり前だろ。世界一可愛いだろ琴は」

「はぁーおかしい。でもいい相手が見つかって良かったな」

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