凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
新しいスタート
〜琴side〜

私は今顎が外れるほど口を開けて驚きが隠せない。

「こ、ここにす、住むの?」

「そうだよ。ごめんな? 結局俺が決めちゃって」

「い、いや全然それはいいんだけど…。か、買ったの?」

「うん。もし出る時は売れるし」

なんてサラッと言ってしまう伊吹はやはりリッチだ。

「だ、大丈夫すかね? 私。場違いじゃないすか?」

「何で。どこが? 琴が住んでそうだなって思ったからここに決めたんだけど俺。気に入らなかったか? やっぱり他も見てみる?」

「違う違う! 気に入った気に入った! 本当に!」

何軒家買う気よ。

「そう? 良かった」

ここはモナコ公国。
ついに私たちはここに移住した。

モナコは小さな国だから、それなりの広さの部屋かなと思ったら、伊吹が用意してくれた家はいきなり豪邸だった。
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