ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜7
ドワーフの国
 景色が瞬時に変わり、フェンリルの背に乗った一行はあっという間に森の中に移動していた。

「ユー様はすごいルートを作ったにゃんね。どっちに行くとゼットランド国なのか、メイシーちゃんにはわかる?」

 エリナの問いに、ドワーフの女の子は「もちろんよ! わたしに任せてちょうだい。ドワーフは材料を求めて森や鉱山を何日も歩き回ることが多いから、方向感覚が身についているのよ」と答えた。

「ドワーフが持つ特別な才能なのかもしれないにゃ。他にはどんな得意なことがあるのか、歩きながら教えてにゃん」

 ウィリオ王子とセラはフェンリルの背からおりると、「わたしたちもだいたいの方角がわかるぞ」と斥候として先に立って進んだ。

 メイシーはエリナに、ドワーフは手先が器用で力持ちであり、ものづくりの仕事に就くものが多いこと、背はあまり伸びないけれど、その分素早い動きが得意だから、もしもダンジョンが安定したら、魔物狩りや素材集めのためにみんな喜んで中に入るだろうということを話した。

「ダンジョンでしか採れない珍しい素材が、ゼットランドでも手に入ることになるでしょ? みんな大喜びすると思うの」

「それじゃあ、要石をしっかりさせてダンジョンが末永く存続できるようにしないとね」

 ミュリンデルが目を開けて『それが守護妖精として一番大きな仕事なのかもしれません』と念話で言った。
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