ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜7
ゼラチンを作ります
 馬車が王宮に着くと、ルディは馬車の返却をミメットに任せ、エリナを起こさないように抱いて降りた。そこへ、サランティーナ王妃とフランセス王太子がやって来た。
 諜報部員から『子猫がやってくる』という連絡を受けているのだ。

「まあ、寝てしまったのね。なんて可愛らしいんでしょう」

「お昼寝用の部屋も整えてあるよ」

『子猫はおねむのようだ』という連絡も受けていたようだ。

 時折『ほにゃ』という寝言を言う子猫を可愛い可愛いと眺めながら、お昼寝部屋へとぞろぞろ歩く。スカイヴェン国王家の子猫びいきは王宮中に響き渡っているので、ここで働く人々は行列を見ても軽くスルーだ。

「あっ、エリナちゃんだわ! なんて可愛らしい子猫ちゃんなのかしら、今日もお耳がふわふわよ」

「あらら、これはもしかすると、もしかしますわ! 美味しいものが食べられるかしら?」

「この国にまた、新しいメニューが生まれるぞ」

「エリナ様がいらっしゃるとワクワクしますね」

 いや、食べ物に関してはスルーできないらしい。
 ひそひそと話す声がすべて好意的なものであったので、ルディは『うちのエリナはどこに行っても人気者だな』と満足した。
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