苦くも柔い恋
覚悟
翌日も、また肌を重ねた。
初日よりはマシだったけれどまだ慣れない行為にズキズキと人には言えない部分が痛む。
そんな怒涛ともいえる夏季休暇もついに最終日を迎え、千晃は日が高いうちに帰る事になった。
「またね」
見送りの際、靴を履く千晃にそう声をかけた。
これで次に来てくれなくなったら辛過ぎるな、そんなネガティブな考えは見透かされていて、千晃は優しく抱き締めてきた。
「次の休み、また来る」
千晃の言葉にじんわりと胸が熱くなり、和奏も背中に手を回した。
「…うん。待ってる」
「……」
「ねえ、千晃」
「なんだ」
千晃が抱擁をやめようとしないので、そのまま話す事にした。