苦くも柔い恋
過去〜決別〜



美琴と千晃の交際がほぼ確定のように噂され、それが最早当たり前のようになった頃にはすでに受験を迎えていた。

悲しんでいても試験日は待ってはくれず、和奏も気持ちを切り替えて受験勉強に向き合っていた。

冬が一層厳しさを増しはじめた頃、共通一次を終えてその後立て続けに二次試験も終えた。


第一志望は美琴に念押しされたので、彼等と同じ大学にした。

また3人で一緒だね!と晴れやかに笑う美琴に曖昧な返事をしつつ、緩やかに気持ちは失望へと向かっていった。


そして結果発表の日、和奏は一瞬息を仕方を忘れた。

試験日もそれほど万全とは言えず、なんとなく受からないかもしれないと思っていた。

それなのに、何度も見直しても自分の番号がそこにあるのだ。


「受かった…?」



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