永遠を糸で縫い留めて

扉を開くと 風が吹く 強い風が

うすむらさきのにおいが さわやかに 身体にまとわりつき 

私の髪まで 青へ あおへと染め上げられてゆくようだ

扉を閉める 

闇が訪れる 

星屑が まだらに私の周囲を散っている 

この闇にいつまでも 浸っていられたら楽なのだろうけれど 

私は風を受けて 扉を開けて 

みどりの草原がたゆたう 昼の青空の 

牛たちが 草をはむ 

あかるい 現実を 歩くことを選ぶのだ
< 124 / 484 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop