永遠を糸で縫い留めて

この窓を開ければ あなたに会える 

ましろいゆびさき 水に濡れたゆびさきを そっとサッシにふれさせて 

勢いよく窓をひらこうとするけれど 動くことはなかった

私と 窓 世界を隔てるもの 

世界から守ってくれるもの 世界へ飛び立てるところ

今日もぼんやりと窓を見つめる 大粒のなみだのような雫が 

桜の花弁をはらみながら

窓を叩いている
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