永遠を糸で縫い留めて

闇がわらう

ここはどこだろう 道を進んでいたはずなのに

烏の羽の色を溶かしたような 闇を染めた夜道 

茜色のぼんぼりだけが ほつり ほつりと浮かんでいる

かわいそうだと思われても 生きてきた

生きることをやめずに いきてきた

あれ? ここはどこだろう

誰か助けてと思ってしまうのは 弱い私の心なのだろうか

会いたいと思っていたひとは 本当にまだ生きているのでしょうか

かわいそうと思われていたのは あなたでした

あれ? もう闇から抜けたのでしょうか

後ろを振りかえれば 誰かがくすくす笑っているような声がした
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