永遠を糸で縫い留めて

20代

お風呂に入り この太ももで20代を過ごしたのかと感慨にふける

陶器のような なめらかなこれ 色々なひとに触られもしたわ 

20代最後の日に 何か特別なことをしようと思ったの 

でもいつものように インドカレーを食べて終わるだけだった 

普段の日常 普段よく聞いているだけの音楽 普段と同じものを見て終わるの 

ただ歳をとるだけ 生きているのが続くだけ
 
20代は苦しいことばかりだった 

楽しいのは歌っている時と 本を読んでいる時と 

音楽を聞いている時と 映画を見ている時だけ 

何歳になっても 生きているのが続くだけ だけど 

これからは 楽に生きられるといいな

風呂から出た脚で 体をしっかりと支えて生きるの

5年後 今までの人生を振り返って

とても穏やかで 満ち足りた気持ちになれていますように

すきな仕事 すきな人とだけ過ごせていますように

猫と家族が健康でいますように

生まれてきてよかったと 心から思えていますように
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