永遠を糸で縫い留めて

門番

この門を叩くのはだあれ 灰色に薄橙と薄紫の陽光がさっと差して


この門を叩くのはだあれ やっと孤独になれたというのに しばらくほっといてよ 


この門を叩くのはだあれ 私の深いところを暴こうとして 


侮辱のたねにしようとでもいうの


この門を叩くのはだあれ 誰も知らない 


まだ私すら見たことのないものを 見つけ出そうとでもする勇者さんね


群れることに飽きて 喧騒から離れて 選んだ孤独はひどく心地よかったのに


あなたの低く透き通った声が ただ懐かしく感じていたところだったのよ


少しだけ すこしだけだけど 扉を開けてあげる 
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