永遠を糸で縫い留めて

文鳥

桜と雪が 入り混じったような毛皮をまとっている 


春と冬が 同時に空から舞い降りてきたような小鳥


薄青い空から とぎれとぎれにやってきたそれは 氷とも言えようか


関わりを持つことを恐れて 関わりを持たぬように生きてきたけれど


お前は私の腕にいつもとまってくれる いつもそこにいてくれる 


時はうつろい 春と冬の間に幾つかの季節が通り過ぎて


小鳥はやわらかな歌を 毎年歌い続けて 


私はいつも それを聞いて


そんなふうに穏やかに 人生が過ぎてゆくのだろう
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