永遠を糸で縫い留めて

ビー玉の湖

深緑の森を抜け


頬に冷たいそよかぜを感じると


紺碧の湖が目の前に広がる


赤い靴を脱ぎ つまさきで恐る恐るその湖に触れてみる


冷たいと感じた以外に つやつやとした感触が当たる


無数のビー玉が連なって 湖となっているのだ


透き通った薄い水色が 重なって深い蒼となっている


私はそのビー玉の湖の上を ゆっくりゆっくりと歩いてゆく


初めは怖かったけれど やがてそのつるつるとした感触が 快感へと変わっていった


もうすぐ秋が終わり 冬がやってくる


このビー玉の湖も凍って つめたくなるのであろうか


それまでは この湖の上で ずっと踊っていたい
< 27 / 484 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop