永遠を糸で縫い留めて

ヴァンパイア

血を溶かしたような夜だね


こんな夜に 僕の部屋へ来るなんて 一体どういう了見だい?


君は死ににきたのか それとも僕と同じヴァンパイアになりにきたのか


世の中の 重苦しいすべてが嫌になってしまったのかな


ひらり 指を蝶のように泳がしてごらん


はちみつ色の月が にやりと笑ってくれるから


牙を剥いて 君の白い首筋に ふれていいってことだね


さようなら 世界
< 273 / 484 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop