永遠を糸で縫い留めて

あなたは何気なくそこに針を置いたのでしょう


誰も踏まず 傷つきもしないと考えて


私はそれを踏んでしまった


あなたが何気なく置いた針


私の足の裏に鋭い傷跡を残した


未だに塞がらず 垂れ流され続ける血


足を引きずると 床に血液がとんとんと残り続ける


気にしない 


気にしないように 私は後ろを振り返らなかった


足の裏から始まった痛みは じんじんと踝を回り


膝や太ももへと到着し


やがていつの間にか 私の声を奪った


痛みに気付かないふりをしたから こんなことに


あなたが何気なく置いた針


私のすべてを奪った
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