永遠を糸で縫い留めて

琵琶

私は見ていた この世の全てを


この弦の音を鳴らすごとに


時は 細い糸となって 大気の中を折り重なり 


陽光をはらんで 鈍くひかる


撥で弦を鳴らす 返ってくる音を摑み 唄をうたう 


それだけが 私がこの世に生まれた真理 


時は流れる 私はそのながれに乗って


ただ起きていたことを唄うだけ


うたい継いで 後の世に伝えるだけ 
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