永遠を糸で縫い留めて

真っ赤

水をふくんだ冷えた空気を纏い


楓は葉を染めていた


植物はこれほど炎に近づけるというのか


真っ赤だった この世にある何よりも


春が終わり 夏の暑さに生命力を奪われようとも


この紅を目指して また 循環していけばいいのだ


来年も 再来年も 


私もいつか真っ赤に命を燃やすときまで

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