永遠を糸で縫い留めて
夜汽車
ちいさな茶色いカバンひとつ
腕の中に納まるサイズ
それだけが 僕のすべてなのだと悟った
白地に蒲公英の刺繍の施されたハンカチだけは
どうしても捨てることが出来なかった
君がくれた 唯ひとつの物だったから
夜汽車に乗るのは初めてだった
多くの人が乗っているはずなのに
ここでは僕ひとりだけが 漂っている
寂しいのか
それとも 柵《しがらみ》から解放されて嬉しいのかわからない
ただ夜汽車と共に 道を黙々と走り続ける
時折強いライトのひかりが 当たって瞳をまたたく
気だるげな僕の体に残されたのは 君の思い出だけ
夏の名残が まだ胸の内に残っている
ああ 消えないで
腕の中に納まるサイズ
それだけが 僕のすべてなのだと悟った
白地に蒲公英の刺繍の施されたハンカチだけは
どうしても捨てることが出来なかった
君がくれた 唯ひとつの物だったから
夜汽車に乗るのは初めてだった
多くの人が乗っているはずなのに
ここでは僕ひとりだけが 漂っている
寂しいのか
それとも 柵《しがらみ》から解放されて嬉しいのかわからない
ただ夜汽車と共に 道を黙々と走り続ける
時折強いライトのひかりが 当たって瞳をまたたく
気だるげな僕の体に残されたのは 君の思い出だけ
夏の名残が まだ胸の内に残っている
ああ 消えないで