永遠を糸で縫い留めて

帰り道

帰り道 


夜の森林公園を歩きながら帰った


見上げると白い月がまるく光っている


これぞ月光 そのあかりだけを頼りに薄闇の中を歩いている


全然怖くなかった 孤独でもなかった


あたりには数人 犬を連れて散歩しているひとがいる 


片手にちいさなライトを持って 道をそっと照らしている


私は何も持たず ただ感覚と月のひかりだけを頼りに歩いている


何も不安はなかった 歩き続ければ いつか家に着く


家で待っている猫や家族を思い浮かべながら


月を浴びて帰る


名前も知らないひとたちと同じ道を 
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