永遠を糸で縫い留めて

赤と青の沼

どろりとした血液のように 入り混じっている


ここは赤と青の沼 足を踏み入れてはならない


赤い水面 底までつけると 青い真水に 染められるふくらはぎ 


どうやって ここまで辿り着いたのかも 覚えていない 


膝までつけた脚を ぐるりと 匙でかき回すように動かすと


赤と青が輪を描く 決して紫には混ざらずに


初めは怖かったけど 


ずっと身を浸していると 


私はこの沼が好きになった


温度も心地よく いつまでも浸っていたいと願えば


いつの間にか脚だけではなく 全身を預けていた


赤と青に埋もれる私 


誰にも見つからずに 人生の終わりまでこの沼で 
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