永遠を糸で縫い留めて

樅の木

あんなに着飾って疲れないのだろうか 


毎年毎年 光の象徴として現れる


誰よりも高く眩しく 聖らかな存在を放つ 


なぜ樅の木を見上げると 涙が溢れるの


真っ白な雪化粧をした 深緑の葉は


こんなに褒められるようなものじゃない


刺さるように尖って 触れるものを傷つけるの


ねえ誰か気づいてよ あたし


そんなに褒められるようなものじゃないのに


12月はいつも あたしが神様になる 
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