永遠を糸で縫い留めて

ともしび

ふっと吹きかけただけで消えてしまえる命なら 


楽だっただろうにね


誰かにそっと湿った息を吹きかけられて 終われる命なら


こんなに苦しくなかったろうにね


ああ なんで私の命は


蝋燭のともしびのように 茜色にひらひらと光っていないんだろう


なんでこんなにも 重い体の中に 隠されて


鼓動を放っているのだろう 
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