永遠を糸で縫い留めて

雪と雷

白い世界 父は未だ帰らず


いつもついているはずの街あかりが 今宵はなんだか雪に沁みているようで


寒さに毛布をかけながら 本を読む


いつもより捗る読書時間は この静けさのおかげであろうか


大人の雪の夜の楽しみかたに 気づいてしまったのかもしれない


窓一面 雪の白が舞っているというのに 


一瞬世界が終わったかのような白い光に包まれて


怒号のような音が落ちる


雪と雷


こんな日から 世界は始まったのかもしれない
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