永遠を糸で縫い留めて

知らないひと

知らなければ 見なければ 傷つかずに済むこともある


自分を守るために 過去から目を背けて 気にしなければいい


知らないほうがしあわせだと 言い聞かせて


終わったひと 終わった場所 もう一生関わることはない


関わらなければ 赤の他人と一緒 通りすがりの 知らないひと


だから なぜ思い出させたの


あの香りで あの声で あの仕草で


あのひととはもう終わったのよ


なんで頭では忘れようとしているのに


体では思い出そうとするの 


私の知らないひと


関わらなければよかったなんて言わせないで


だから赤の他人でいさせて
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